ねね
私の娘は生後6ヶ月の時に初めて食物アレルギーを発症しました。特に新米ママさんたちに食物アレルギーはどういったものなのかをお伝えしたいと思い、その時のことをお話します。
食物アレルギーって?
私のブログには食物アレルギーの事をよく知らない方も見に来られるので、簡単に説明しますね😊
食物アレルギーとは?
以下、日本アレルギー学会が運営している「アレルギーポータルサイト」から引用します。
食物アレルギーは、ある特定の食べ物を摂ったあとにアレルギー反応があらわれる疾患です。乳幼児の5~10%、学童期の1~3%が食物アレルギーと考えられています。
食物アレルギーの抗原は主に食べ物に含まれるタンパク質で、乳幼児期には小麦や大豆、鶏卵、牛乳などが、学童以降では甲殻類や果物、そば、魚類、ピーナッツなどの原因に変わっていくという特徴があります。
皮膚症状(じんましん、ほっせきなど)、消化器(腹痛、下痢、嘔吐など)、目(充血など)、呼吸器(くしゃみ、鼻水、咳、呼吸困難など)、神経(頭痛など)があらわれます。上記の症状が強くあらわれて、さらに血圧の低下や意識障害などを伴う場合を「アナフィラキシーショック」と呼び、生命の危険にまで及ぶことがあります。
つまり、ある特定の食べ物を食べると、じんましん、発赤、嘔吐、鼻水、咳、呼吸困難などの症状が現れて、さらに血圧の低下等が伴うと、死亡する可能性がある疾患です。
食物アレルギーはどうして起こるの?
食物アレルギーは様々な要因によって引き起こされると考えられています。以下、日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会が発行している、【食物アレルギー診療ガイドライン2016】より引用します。
両親や親族にアレルギー疾患がある人がいるかどうかだけでなく、皮膚の状態、日光に当たる時間、離乳食開始時期、食物アレルゲンがどれだけ生活環境に溢れているか、等がリスク要因として挙げられています。ちなみに我が子でいうと、
- 両親・親族ともに食物アレルギーがない(ですが、両親ともにアレルギー性鼻炎持ち)
- 離乳食は生後5ヶ月から開始(遅い方ではない)
- 秋冬生まれではなく、外出はしており、日光照射時間は短くない
- 乾燥肌で、肌が荒れていた
- 環境中に食物アレルゲンはあった(掃除はしておりましたが、完璧ではなかったと思います。)
食物アレルギーを引き起こす要因はそこまで高くなかったにもかかわらず、娘は食物アレルギーを発症しました。
ねね
私の娘は2018年現在、卵・乳・そば・ピーナッツにアレルギーがあり、基本的に食物除去(食べないようにすること)をしております。
⬇参考文献⬇
私の娘が初めて食物アレルギーを起こした時のお話
今、新生児を育てている新米ママさんに、食物アレルギーとはどういう症状なのか等を具体的にお伝えするために、私の娘が初めて食物アレルギーを起こした時の話をしようと思います。
離乳食で試したうどんがきっかけだった
ねね
娘の離乳食は5ヶ月から徐々に開始し、おかゆやすりつぶした野菜などは試していました。ですが、順調に進んでいたわけではなく、一生懸命手作りして作った離乳食を何度も、
むすめ
と吐き出すのです。新米ママだった私は「時間をかけて作ったごはんを食べてくれないショック」が大変大きく、落ち込んでいました。そんな時に実母が「うどんを試したみたらどう?」と言ったのです。少し味が変わるから食べてくれるかもしれないよ、と。
そうだったら良いな!という気持ちが先行して、私は初めてうどん(小麦)を試すのに、夕飯にあげてしまいました。
約1時間後、みるみる変わる表情・鳴き声
ねね
最初は眠いのかな?と思って、暗い寝室へ移動し、寝かしつけを始めました。ですが、いくらトントンしようが抱っこしようが泣き止まないのです。
おかしいなと思った私は、また明るいリビングへと移動しました。その時に初めて「娘の顔が真っ赤になっている」ことに気づいたのです。そしてみるみるうちに娘の顔は腫れていきます。その時に初めて、
ねね
と気づきました。なんで夕飯にあげてしまったのか…食物アレルギーの症状が出始めたのは19時過ぎだったので、かかりつけの病院は閉まっています。開いている病院を必死で探して、娘を病院へ連れていきました。
病院で食物アレルギーという診断がおりる
ねね
病院で薬を処方してもらい、しばらくすると娘は泣き止み、疲れ果てたのか眠ってしまいました。そしてお医者さんに、
医者
と言われました。私は不安でいっぱいでした。
「食物アレルギーって何なの?」
「どんな症状でこれからどうやっていけばいいの?」
「私の育て方が悪かったの?」
色んな思いが頭にかけめぐり、その日の夜はずーーっとスマホで「食物アレルギーとは」を検索していました。
食物アレルギーを見てくれる「病院」を探す戦い
娘の食物アレルギーが分かると、私は「食物アレルギーを丁寧に診察してくれる病院探し」に追われました。
乾燥肌を治してくれなかったA・B・C病院
娘は生後1週間で退院する時の診察で医師から、
医者
と言われておりました。医師が「気にするほどでもない」と言っていたので私もさほど気にしていませんでした。
しかし生後2~3ヶ月の頃、「乳児湿疹」が現れました。乳児湿疹とは生後2週間〜3ヶ月頃の赤ちゃんに起こる皮膚疾患で、顔や頭皮に赤いぶつぶつができます。
ほとんどの赤ちゃんに起こる皮膚疾患で、誰でも通る道だからさほど気にしてはいなかったのですが、娘の場合は乳児湿疹がなかなか治らなかったのです。いつまでたっても皮膚の状態は悪く、さすがに気になってきました。
A病院に診てもらって薬を処方されますが良くならず、その後B病院でもC病院でも、娘の皮膚はザラザラ・ジュクジュクしていて皮膚の状態がよくなることはありませんでした。
そんな状態が生後5ヶ月になっても続き、少し心配はしておりましたが、肌荒れに関する知識のなかった私は「いつか治るのだろう」と軽く思っていました。
そしていよいよ離乳食を開始しました。娘は食べたり、食べなかったりしていたのですが、野菜や果物の汁などで口の周りが赤くなることがよくありました。なので、「もしかしたら食物アレルギーかも?」と思い、C病院に診てもらったこともあります。
ねね
医師
その後、娘は食物アレルギーの症状を起こし、食物アレルギーがあることがわかります。なぜあの時、血液検査をしてくれなかったのか?そして私もなぜ「母親の勘」を大事にしなかったのか?
もし食物アレルギーだとわかっていたら、娘に苦しい思いをさせずに済んだのに。そんなことを後になってから思い、後悔しました。
私はA病院もB病院もC病院も信じられなくなりました。全ての病院に足繁く通いましたが、だれも我が娘の「皮膚の状態」を改善してくれなかったし、だれも「食物アレルギーの可能性」を指摘してくれなかったからです。
D病院との出会い
ねね
私が途方に暮れていた頃、私の姉から一通のメールが届きました。
姉
その病院は私の家から車で15分ほどの距離にありますが、私はわらにもすがる思いで病院を訪ねました。するとそちらの病院では丁寧に娘の体を診察してくれて、私の話も熱心に聞いてくれて、最後に先生から「食物アレルギー」に関して「皮膚の状態」に関して、そして「ステロイド薬」に関して丁寧な説明がありました。
- なぜ食物アレルギーが起こるのか(荒れた皮膚にアレルゲンが入ることによって始まる)
- 娘の皮膚の状態がかなり悪いこと、まずは皮膚をキレイにする治療から始めること
- その際、ステロイド薬を使用すること(ステロイドの効能・副作用について丁寧に説明を受ける)
- ステロイド薬の正しい使い方
私は目からウロコ状態でした。他の医師はこんなに丁寧に説明してくれなかったのです。
食物アレルギーは皮膚のバリア機能の低下が引き起こすものだとも言ってくれなかったし、ステロイドにいたっては使わないほうが良いと言われたこともありました。
ステロイド薬の使い方を丁寧に説明されて、納得した私は翌日からD病院の医師の言うとおりにステロイド薬を塗り始めました。するとどうでしょうか。あんなに「治らない」「良くならない」とずっと悩んでいた皮膚の状態がものの2~3週間でツルツルきれいになりました…
私は今までこの子にどれだけ辛い思いをさせてしまったんだろう。痒かったろう。痛かったろう。ごめんね、と何度も思ったのと同時に、D病院のY医師に出会えて本当に良かったと思いました。
良い医師との出会いは本当に大切です。自分が納得のいくまで、色んな医師に見てもらいましょう。
娘とともに食物アレルギーとの戦いが始まる
ねね
現在は、市内の大きい病院で色んな食材を試しています。この病院の先生の診察もとても良く、娘の肌の状態は大変良くなり、食べられる食材もかなり増えました。
早くこちらの病院に出会いたかったなぁ…とも思うのですが、幼児期に出会えた私はまだラッキーな方かもしれません。娘は2018年現在、
医師
と言われています。娘は現在4才なので、まだまだ食物アレルギーとの戦いは続きます。私は娘の通院に付き添い、食物アレルギーの治療を進めていくためにも、会社員を辞めてフリーランスになり、在宅ワークという仕事スタイルに切り替えました。
今後も子どもに寄り添って、治療していきたいです😊
食物アレルギーは防げるのか?
ねね
それは…
ねね
ねね
徹底したスキンケアが大事
以下、日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会が発行している、【食物アレルギー診療ガイドライン2016】より引用します。
現在では、皮膚バリア機能の低下が食物アレルギーの発症リスクとなり得ることが示唆されている。
生後早期から保湿剤によるスキンケアを行い、アトピー性皮膚炎を30~50%程度予防できる可能性が示唆されている。
つまり、生後まもない頃から、スキンケアを徹底して行い、皮膚の状態をきれいな状態に保っていると食物アレルギーを発症するリスクが減る=食物アレルギーを予防できる可能性があるということです。
徹底したスキンケアって?
ねね
上の子(娘)の時はスキンケアに対する知識がなく、これといったケアは行っておりませんでした。しかし下の子(息子)の時は食物アレルギーは肌荒れから起こる(可能性が示唆されている)という事を知っていたので、徹底してスキンケアを行いました。
- お風呂上がり(沐浴後)に、保湿剤を全身に塗る
これだけです。これだけですが、保湿剤を塗るということを毎日欠かさず行っていました。どんなに見た目に肌がキレイに見えても、保湿剤を塗らなかった日はありません。
ステロイド薬ではありません。市販されている保湿剤です。
そのおかげか、息子はいつも肌がツルツルでキレイな状態でした。そして息子は1度は食物アレルギーを発症したものの、軽度だったようで、1才半で克服し、2才になった今は色んな食材が食べられるようになっています。
離乳食は遅らせないこと。卵は生後半年から摂取OK
息子が卵アレルギーを克服した時のこちらの記事にも詳しく書きましたが…
【祝】食物アレルギー(卵アレルギー)克服しました!息子1才。卵は生後半年から摂取してOKです。私が上の子の離乳食を作っていた2014年当時、育児本には「卵は生後1才を過ぎてから」と書いてありました。ですが、2017年に食物アレルギー学会が「鶏卵アレルギー発症予防に関する提言」を発表しています。
オーストラリアにおける横断研究では,加熱した鶏卵を生後4~6 か月までに始めた乳児と比べて,10~12 か月に始めた乳児では5.9 倍鶏卵アレルギーのリスクが高まることが報告された
引用元:http://www.jspaci.jp/modules/membership/index.php?page=article&storyid=205
詳しくは、食物アレルギー学会のHPに掲載されている提言内容をご一読ください。
要するに昔は違ったけど、今は、卵は生後半年から卵を少しずつあげた方が良いんです。そのほうが、卵アレルギー発症の予防につながります。(もちろんすでに卵アレルギーの症状が疑われる乳児には、卵を与えるのは危険なので、主治医の意見をお伺いしてください。)
食物アレルギーを予防する方法のなかでもこの2点は、「アレルギー学会が発表している」「両親が赤ちゃんにしてあげられる、アレルギー発症の予防方法」です。(家族歴や秋冬生まれであることなどはコントロールが難しいですから)
私と娘の体験が新米ママさんに届き、1人でも食物アレルギーの発症を防げますように、願っております🙂
食物アレルギーに関する情報はここを参考に
最後に、食物アレルギーの情報を集めたいと思ってらっしゃる方に、私がおすすめする情報参考元をお伝えします。
食物アレルギーに関するWebサイト
- 日本小児アレルギー学会
- 日本アレルギー学会運営 アレルギーポータルサイト
- 食物アレルギー研究会 食物アレルギーの栄養食事指導の手引き2017
- 「エピペン」を製造している企業が運営しているサイト「アナフィラキシーってなあに?
食物アレルギーに関する書籍
この記事の中でも度々引用させて頂いた参考文献です。お医者様用の書籍ですので内容を理解するのが少し難しいですが、お医者様用だからこそ「理論的」で「正確な」情報が掲載されています。
私はこの書籍の中で、
- 妊娠中や授乳中の母親が食物除去を行うことは推奨されない
- アレルギー疾患予防という点で完全母乳栄養が優れているという十分なエビデンスはない
と記載されているのを見てホッとしました。私が良い医師に出会うまでのC病院では「お母さんも食物除去をした方が良いかもしれない。」と言われ、私の母乳がアレルギーを引き起こすかもしれないのか、と大変ショックを受けたからです。
ですが、こちらの書籍はその意見を否定してくれました。心が救われました。
フォローすべきおすすめtwitter
ツイッターをされていらっしゃる方はこちらの先生方をフォローするのがオススメです。
ほむほむ先生は日本アレルギー学会の専門医で、アレルギーに関する情報をご自身のブログでもご紹介されています。ブログの内容が英語文献を中心にした情報で、医療者向けなので少し難しいですが、出典が明らかな医学情報を知ることができます。
こどものアレルギー専門医先生もその名の通りアレルギーの専門医です。アレルギー情報のツイートを流してくれたり、質問箱で質問にも答えてくれます。
医療に関する情報はネットで溢れていますし、お医者さんが言うことも、それぞれのお医者さんによって微妙にニュアンスが異なってきたりします。
親である私達が、理論的で正確な情報を手に入れるよう、努力していきたいですね😊
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